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「秋の湖を釣る」


   楽しい時が過ぎるのは早いもの、とはよく言ったもので、今年も渓流は禁漁を迎えた。 春の解禁以降、多くのフィッシャーマンで賑わった河川も静かな時間を迎えた。 21世紀最初のシーズンを存分に楽しんだ釣り人も多いことだろう。良い釣りをした人も また、そうでなかった人も来年の解禁を首を長くして待つことにしよう!

今年は8月、9月と連続して関東地方を二つの台風が襲った。記録的な大雨になり、シー ズン終盤の河川は大きな影響を受けた。私も落ち着きを取り戻したころに釣りに出かけた が、良い思いは結局できずに終わってしまった。 ということで今回は9月30日で禁漁になった奥日光「湯ノ湖」の釣行の様子を中心にお 話しよう。今年の釣りは終わったが、是非来年の釣行の参考にしていただきたいと思う。

「湯ノ湖」

「湯ノ湖」


釣期は例年5月1日から9月30日まで。中禅寺湖よりは、やや遅くまで釣りが楽しめる。 ちなみにここから流れる湯川も釣期はいっしょである。 ニジマス・ヒメマス・本マス・ブルックトラウトが対象魚である。 特にブルックトラウト(以下ブルック)は1902年、トーマス・B・グラバー氏が日光 湯川に放流したのが始まりである。 つまり、来年2002年に記念すべき100周年を迎える。

この魚は幾分沈めて狙う方法が効果的だ。表層でのヒット率は極めて低い。シンキングラ インを使用するかもしくはインジケーターでマラブーを落とし込む釣り方が良い。過去に インジケーターを使用した釣りで28〜32cmのバツグンのコンディションのブルック が入れ掛かりになったこともある。シンキングラインは#5〜7のタイプ2を中心に使用 する。ちなみに私は#7のタイプ2を使うことが多い。フライはやはりマラブー系のフラ イが効果的だ。黒やオリーブのほかイエローなども良い。サイズは#12くらい。 やはりカウントダウンをしっかりとして、タナどりを確実に行うことが好釣果につながる。 そして、底を狙うつもりで確実にフライを沈めることが大切。リトリーブはメリハリのあ るほうが良い結果がでているが、あまり速いリトリーブは良くないようだ。

ニジマスは放流量も多く、釣り易い魚種である。つり方は様々だが、あまり沈める必要は なく、表層を中心に狙うことをおすすめする。リトリーブならフローティングラインかタ イプ1が良い。使用フライはマラブーでもウエットでも問題ないが、#14前後のソフト ハックルがお勧めである。40〜60cmの大型の魚も釣れる。

本マス
中禅寺湖でおなじみの本マスも湯ノ湖には存在する。中禅寺湖のように大型のものは少な いが20〜35cmクラスの魚は釣れる。以前50cmオーバーの本マスを釣ったという 話も聞いたことがある。おそらくその位の大きさが湯ノ湖では最大であると思われる。が、 大型の数は極めて少ない。この魚はドライへの反応もよく、ニジマスやヒメマスに混じっ て釣れることもある。

ヒメマスも餌釣りで人気の魚であるが、これもフライフィッシングで狙うターゲットだ。 狙い方はズバリ、ドライフライ。シーズン初期を中心に楽しめる。今年は解禁直後のゴー ルデンウィーク中に良い釣りが出来たという。そのときは#16くらいのパラシュートフ ライで釣れたらしいが、捕食しているのはほとんどがユスリカである為、#26位までの サイズは用意したほうがベターである。

今回の釣行は台風も去り落ち着きを取り戻した9月下旬。水質が気になったが予想に反し て透明度が高い。 8月、9月と連続して来た台風の影響で日光では記録的な大雨になった。おそらく湖水の 入れ替わりが予想以上に大きかったのだろう。 また、9月中旬に藻の除去作業をしたとの事。ご存知の方もいると思うが湯ノ湖には藻が 多い。シーズン初期はあまり気にならないが夏を中心に水面付近まで繁殖してくる。「コ カナダモ」と呼ばれる藻は湖の水質のバロメーターともなっている。 釣行当日の透明度は3,5m。かなりクリアーであった。

私は湯ノ湖での釣りではほとんど手こぎボートを使用する。これは岸から狙う場合バック スペースがなく、釣りの可能なポイントが限られてしまう為である。また、ボートをレン タルするレストハウスには多くの情報が集まるため必然的にボートの釣りとなってしまう。

まずは国道側からポイントを探っていくが、この日はまったく魚の反応がない。午前中に ほぼすべてのポイントを探るがアタリが一回あっただけ。 午後一時。ほかのボートは上がってしまったようで、その数は朝の半分くらいになってし まった。レストハウスで昼食を取りながら、最近の状況を聞けば、あまりよくないとの事。 台風直後の濁りが入っていたときはヒメマスを中心に釣れたらしいが、今日の透明度の良 さでは難しいようだ。

午後は唯一残しておいたポイント、通称「処理場前」に入る。ここは今年の解禁日に45 cmのブルックが釣れた場所らしい。ボートに備え付けられたアンカーを入れると水深は 約9m。南からの風が幾分強いので船首を風上に向けてボートを止めた。こうする事で波 の影響を受けづらくなる。ちなみに船の横に波があたると横揺れが大きく なってしまい、釣りづらい。

ニジマス この場所は今日は風下に当たる。ここでだめなら帰ろうと思いながらまずはシンキングで 探る。 タイプ2の#7に黒の#12のマラブーフライ。午前中のアタリは、やはり黒のフライで あったためこのフライに賭ける。風下である岸に向けキャスティングをしてまずは表層か ら狙うとすぐに反応が!フッキングしない。次にリトリーブスピードを少し緩めるとあっ けなく本日のファーストヒット!ニジマスであるがやはりうれしい。 その後、徐々に沈めて狙い、タナを探ったがやはり表層以外では反応はない。ラインを# 7、タイプ1に変える。この組み合わせが今日は当たったようで、その後ニジマスを数匹 掛けた。約20分で沈黙・・・その後しばらくするとまた釣れだした。明らかに魚が移動 している。20分間隔で魚が回ってきていた。

本マス
夕方4時を回ると風が止み、水面にはライズが起こった。 迷わずドライに変更してみる。#16のパラシュートフライ。ボディーはオレンジのパタ ーンだ。実はこの直前にインジケーターを試した時、何度かインジケーターをくわえ込ん だ。ならばと思ってのチョイスだ。結果はすぐに出た。着水してまもなく本マスがヒット! 25cmと型は小さいが立派な本マスであった。その後同サイズの本マスとニジマスを数 本掛けることができた。PM4:45、ボートでの釣りはPM5:00までのため、アン カーを上げた。

湯ノ湖は比較的簡単に魚を釣ることのできる湖である。しかし、反面奥の深さを感じるこ とも少なくない。 やはり、きちんとした読みを立て、丁寧な釣りを心がけていただきたい。そうすれば必ず 多くの魚と会う事ができるはずである。 また、ボートの管理がしっかりとされているので、子供や女性でも安心して楽しめる。 しかし、ボートを使用した釣りの場合、天候の急変にはくれぐれもご注意いただきたい。 特に風は、いきなり強風になり、白波が立つという日もあるので無理をしないことが一番 である。また救命胴衣は必ず着用したい。

2002年、ブルックトラウト放流100周年。ぜひ来シーズンはこの魚を皆さんに釣っ ていただきたいと思う。例年通りであれば2002年5月1日、シーズンが幕を開ける。

湯ノ湖のアイドル”ポー”

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