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第2章 キットできるゾ!

                  (写真解説)→
今回は銀座「菊秀刃物店」オリジナル
“バード・トラウトキット”
をモデルに選びました。 本体の材質は、タフで錆にも強いと定評の ATS-34という鋼材を使用し、 皮製の完成品シースもついて入門用には 最適のキットだと思います。

「ナイフキット」を購入したら、まず部品を確認しましょう。
親切なキットであれば、同梱されている部品の一覧や組み立て方も入っています。
今回、私が購入したキットは以下の様な構成になっておりました。
■ 本体 ■ ファスナーボルト(2本)
■ ハンドル材(鹿角) ■ かしめ用ピン
■ 加工済みヒルト ■ 紐通し用パイプ
■ シース(皮製のナイフホルダ)

組み立てに入る前に、まず各部の名前を覚えて下さい。
各部の名前

次に、使用する工具ですが以下のような物が必要となります。

■ 万力(作業全般で威力を発揮します)
■ カナヅチ(ヒルトをかしめる時に使います)
■ ヤスリ(ファスナーボルトやかしめピンの余分な部分を落とす時に使用します)
■ ドライバー(ファスナーボルトを締めるときに使います)
■ バーナー(必ず必要というわけではありません。詳しくは組み立て工程で説明します)
■ 砥石(荒砥・中砥)
キット以外に自分で購入するのは

■ 耐水ペーパー(紙やすり)
■ エポキシ系接着剤
■ 銀蝋(または接着剤)
■ 木片(用途は以下本文中で説明致します)

耐水ペーパーは、目の粗さで番数が決まっています。
今回のキットでは、240番、400番、600番、1000番、1500番、2000番ぐらいの種類でOKでしょう。
(番数があがるにつれて、目が細かくなって行きます)
キットの場合、ブレード(本体)に焼き入れ処理が済んでいるものがほとんどなので、
どうしても加工に時間がかかります。ナイフはブレードの光沢が命です。
(もちろん切れ味もですが)。最初の段階で手を抜かない事が、
最後に満足するコツです。


さてさて、前置きはこのぐらいにして、いよいよ作業に入りますか。
まずは・・・
本体を手にとってよーく見て下さい。
グラインダーで削った跡がはっきり分かるはずです。
その「跡」を消す事が最初でしかも一番重要な作業になります。
まずは、ペーパーを効率よく当てられるように研磨用のスティックを作ります。
ここで、先程購入リストに揚げた木片が登場するわけなんです。
私は、ホームセンターの木材売り場の端切れのコーナーで細い角材を買い求め、
持ちやすいように加工して作成しました。(確か80円くらいだったかな)
木片の幅は研磨する部分の幅に合わせると、均等にペーパーがけが出来ます。
下図を参照下さい。
適当な角材を見つけたら、まず図のように斜めにカットします。

角材
(上)角材,(中)斜めに切った状態,(下)持ちやすいように加工
(上)角材

(中)斜めに切った状態

(下)持ちやすいように加工

切り口がフラットになるように、平らな場所に粗めのペーパーをしいて、上記のスティックの
切り口の部分をあててこすります。仕上がったら、この面に両面テープ等でペーパーを貼り付け
平らな部分の研磨に使います。
次に、キットの場合はブレードの部分が「凹面」に加工されている「ホログラインド」という
タイプが多いので、そこを研磨するためのスティックを作ります。
150〜240番位のペーパーを ブレードの「凹面」の部分に、ザラザラの面を上に向けて置き、そのスティックの
切り口をこすります。こうすれば、ナイフの「凹面」のカーブに合わせたスティックを作る
ことが出来ます


この、凹面の部分は平らな研磨面を持ったスティックではうまく研磨できません。
スティックは平面用・凹面用とも使うペーパーの種類の数だけ作っておくのが基本ですが
スティックを作る作業もなかなか大変なので、1本で数種のペーパーを兼用してもいいと思います。
ただ、この場合は前の番数の粒子が残らない様に、スティックをきれいにしてから使ってください。
特に、仕上げ段階の目の細かいペーパーで作業するときは注意が必要です。
準備が出来たら、いよいよ研磨作業に入ります。水を適当につけながら研磨して下さい。
キットで焼入れがすんでいるブレードであれば、とりあえず400番くらいからはじめると良い
でしょう。稜線が消えないように、稜線を境にしてブレードの部分を仕上げて行きます。
削る方向が1方向だけだと、傷が見えない為「鏡面仕上げ」にした時、後悔する事になります。
私が、師匠に教わったやり方は・・・

基本的には横方向がやりやすいので横方向に終止してしまいがちです。
そこでまず縦方向にまんべんなくペーパーを当てます。
当然、縦方向に細かい傷が無数につきます。
その傷が消えるまで横方向にペーパーを当てます。
これを何度か繰り返して番数を上げて行きます。
尚、ハンドルの部分は鏡面にしませんのでアバウトで大丈夫です。
当然、縦方向用の木片と横方向用の木片を別々に作成しておくほうがよいでしょう。


ペーパーの番数が上がるにつれて、深い傷が目に付くようになります。
当然、目の細かいペーパーほど傷を消すのに時間がかかります。
どうしても傷が消えない時(深い傷)は、番数を一つ二つ戻して、再度やり直します。
もちろん、力を加えなければ研磨できませんが、必要以上に力を入れると かえって傷を作る結果になります。
すこしづつ研磨しながら力加減を覚えて下さい。
一連の作業を行う際、万力(バイス)があると非常に効率があがりますよ。
私は、スキー用のバイスを流用してますが、これがなかなか重宝してます。

ペーパーの番数を上げるたびに細かく研磨面をチェックして、深い傷がないか気をつけます。
ブレードを光に当てて、いろいろな方向からチェックしてください。

この、研磨作業がナイフメイクの一番つらくて大変な作業です。あせらず丁寧にじっくりやる事。
そう簡単には傷は消えてくれません。
根気と忍耐がものをいう作業です。この難関を乗り越えたとき、 筆舌しがたい満足感と充実感と疲労感がきっと訪れるはずです。
がんばりましょーー!



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